従来型ワクチンとRNAワクチンの違い


従来型ワクチン

不活化ワクチン

・腕から射つ「皮下注射」である(血流が乏しい皮下組織に注射する)。

・体内に「血流逆流」が無いことを確認してから注射する(全身に廻らないように)。

・ワクチン成分は、リンパ球によって所属リンパ節に至り、自然免疫の樹状細胞に貪食(どんしょく、分解・消化のこと)してリンパ球に抗原提示しリンパ球がメモリする。

・所属リンパ腺とは、例えば、おたふく風邪を予防するワクチンであれば耳下腺で良いし、水疱瘡(みずぼうそう)の予防であれば皮膚組織で良い。

弱毒性ワクチン

・ほぼほぼ、前述の「不活化ワクチン」と同じメカニズムではあるが、到達しなくてはいけないターゲット臓器が明確である一方で、細胞内侵入能力や増殖能力が培養時点で弱めてあるので、一部血流にのって全身をワクチン成分が駆け巡ったとしても過剰な免疫反応を起こすことは無いとされる。

RNAワクチン

・肩から射つ「筋肉注射」である。

・体内の「血流逆流」の有無を確認せずに注射する

・ワクチン成分が全身を駆け巡っても問題がない。むしろ全身に漂流させることを目的としている。

・ワクチン成分が全身を漂流。あらゆる臓器に至る。

・肝臓(かんぞう)、脾臓(ひぞう)などのリンパ組織で、ワクチン成分(抗原)が樹状細胞に抗原提示しリンパ球がメモリーする。

・元々、RNAワクチンもターゲット臓器は無く、全身細胞に侵入したRNAはあらゆる臓器で抗原提示しリンパ球を現わし、メモリーされたリンパ球の攻撃を受けて細胞の破壊される。このことによりリンパ球の感作(かんさ)が進むが、破壊された細胞に対する自己免疫疾患やサイトカインストームなど過剰な免疫反応が起こる。

・全身に到達させることを目的としたRNAワクチンを「皮下注射」してしまうと、成分が皮膚に留まってしまい、腫れたりするが、最悪の場合は皮膚が壊死(えし)してしまうことがある。